ミュージック MUSIC


Hi-STANDARDのエネルギーが爆発!
11年ぶりのAIR JAMが開催

TEPPEI/ ©AIR JAM 2011

air jam 01 Hi STANDARDのエネルギーが爆発!11年ぶりのAIR JAMが開催 (1)11年ぶりに3人でステージに上がったHi-STANDARD。その演奏中、ステージの袖には、今回参加したバンドたちが集まり、彼ら3人が一緒にパフォーマンスする姿をしっかりと見つめていた。

去る9月18日、横浜スタジアムでAIR JAMが開催された。FACT、SCAFULL KING、10-FEET、LOW IQ 01、the HIATUS、マキシマム ザ ホルモン、BRAHMAN……そして、Hi-STANDARD。トータル15バンドが日本のために歌い、奇跡を起こした。そして、会場の集まった宝くじのような倍率のチケットを手にした3万人の観客は、その奇跡の瞬間を目撃した。

昨年の末頃、Hi-STANDARDのヴォーカル、難波章浩にインタヴューをした時、AIR JAMを2011年の秋に開催するとそっと教えてくれた。その後、3・11があった。これが、復活するAIR JAMの意味を明確にしたという。震災後のインタヴューで、難波はそれをハッキリと口にした。「3人で話したんだ。ハイスタのパワーを使うのは、今だぜって。活動休止をした意味もハッキリすべきだぜって」

当日は震災発生からすでに半年が経過し、首都圏の夏の節電対策も一段落していた。そろそろ、みんな新しい一歩を踏みだしたいと思っていた。それと同時に3・11を、そして今でもその苦しみから逃れられない被災地の方々のことを忘れてはいけないと、そう思っていた。その空気をステージに立つミュージシャンが音と言葉で表現してくれた。実にそのバンドらしいやり方で。

トリの2つ前。AIR STAGEに登場したのはマキシマム ザ ホルモン。とにかく、頭でっかちになっている今の日本人に、身体でロックすることを見せつけてくれた最高のステージだった。ドラムの紅一点のナヲのMCがまずはツボ。「ハイスタの3人とはセフレなんで(笑)、今日、呼ばれました!」と笑いをとったかと思えば「今日は伝説だよ。11年前のAIR JAMを観ていた当時の自分に胸が張れるようなライヴにします!」。彼らの演奏に合わせ、オーディエンスもヘッド・バンキングではなく、3万人が身体ごと揺らすボディ・バンキング。この光景はとてもエネルギッシュだった。そしてラスト曲はナヲの「みんなで巻き込んで巻き込んで、巻き起こそうぜ!」との叫びで始まった嵐の「A・RA・SHI」。ロックの自由さを理屈抜きに身体に植え付けてくれた。

マキシマムに続く14バンド目はBRAHMAN。魂のこもったステージだった。特に、後半、TOSHI-LOWはアリーナの最前列に身を任せ、人の波に浮かびながら歌った。その光景がなんだか美しかった。港町・横浜の巨大なステージと、被災地の小さな港がつながっているような気がした。最後の曲の前、TOSHI-LOWはこう語った。「あきらめなくて良かった。11年前と同じように、3人がそろった。東北に家族の団らん。福島に子供たちの安全。俺、あきらめねえよ! いつも、ライヴが終わると死んでもいいと思ってる。でも今日は次のバンドのステージが観たい」

L→R: TSUKASA MIYOSHI/ ©AIR JAM 2011; Rui Hashimoto(SOUND SHOOTER)/©AIR JAM 2011; [H.and.A]/©AIR JAM 2011

air jam 02 Hi STANDARDのエネルギーが爆発!11年ぶりのAIR JAMが開催 (2)観客席に接近して、熱唱するBRAHMANのTOSHI-LOW。(3)the HIATUSの細美武士。(4)会場のムードを一気にアゲた、マキシマム ザ ホルモンのステージ。

そしてハイスタの登場を待つ間、スタジアムのスタンド席でウェーヴが起きた。みんな笑顔でウェーヴに参加している。3・11、東北地方を襲った巨大津波は、多くの人命、建物、思い出を飲み込んだ。こんなことを書くとお叱りを受けるかもしれないが、この日のウェーヴは希望の波だった。この希望が、このスタジアムに充満しているエレルギーが、被災地へ届けばと僕もウェーヴに参加した。

そして、遂にハイスタの3人、難波章浩・横山 健・恒岡 章がステージに。難波が「子供連れのヤツはしっかり手を握れ! STAY GOLD!」と叫び、演奏が始まった。ものスゴい集中力。そして、3人とも、ものスゴく楽しそうだ。横山が何曲目かのMCで「大袈裟に聞こえるかもしれないけど俺たち日本のために集まったんだぜ。 NICE TO SEE YOU AGAIN!」と言った。以前の難波のインタヴューの発言と同じ趣旨を、いかにも横山らしい言葉で聞けてうれしかった。

伝説を追い求めて、初めてハイスタを観た若いオーディエンスも多くいたと思う。この日のドライブ感を11年前と比べることは意味はないだろう。ただただ素晴らしいと感じたなら、それでいい。途中、3人の仕切りで、スタジアムの全員が東北に向け、エネルギーを送った。解き放たれた3万人の心から出たエネルギーは東北に向け夜空に吸い込まれていった。

アンコールも含めれば、Hi-STANDARDのAIR JAM 2011での演奏は全11曲。最後は難波の「また来年もやろう!」という言葉で締められた。その瞬間、日本に新しい希望が生まれ、新しい物語が始まったと、僕は思った。

Text by Joe Yokomizo


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