
特にそれを感じたのが、本編中盤の「Darling」。
そしてアンコールでSIONの弾き語りで披露された「Machiko」。
更に一度目のアンコールの最後に披露された「そしてあ・り・が・と・う」。
更に二度目のアンコールでの「このままが」。
どれも震災前の曲で、ファンには耳馴染みの曲達だが、なんとも言えない優しさがそこにはあった。もちろん、それらの曲は以前からそうした立ち位置の歌ではあった。でも、その優しさは以前とは異質、と言うより、まるで天使からの贈り物のようだった。
そう言えばSIONが2012年に関して、「厳しいというか重いというか、そういうことや、そういう言葉で心が震えたり元気になることもあるんだけど、皆で一緒に、でもワイワイとかじゃなくて、むしろそれとは反対だけれど、明るい、少し明るい色味・トーンをなんとか出せないかなぁって、今自分では思ってる。俺は大人数に向かって声を掛けられないからさ、“おーい”とか、“みんなー”なんて、そんな歌は書けないから。また隅っこになるかもしれないし、一人に向かってになるかもしれないけど、それでもちょっと違ったものを書けたらなぁと思う」と本誌1月号で語ってくれたのを思い出した。
そんな優しい歌だった。
そんな優しい、少し明るい色味の声だった。
攻撃の後に優しさが降りてきた。
震災で亡くなった方々の命と引き換えに何かを得るというのは、あってはならないことだというのは自覚している。それでも、震災があったから手にした事(例えば、出会いとか)もあった。
SIONに関して言えば、まずは、怒った。“恥を知れ!”と怒った。
でも、その後に、優しさを手にしたんだと思う。
震災で亡くなった方々も、もし、あの日を境に、日本人が少しでも優しい気持ちで日々を生きて行けるようになったと知って下さったら、ほんの少しだけ、天国で優しい気持ちになってくれるような気がしている。
12月17日、代官山UNITでのSIONの声は天使の声だった。
見た目はとても天使とは言えないが。

アンコールのラストの曲「このままが」の歌詞の一部。
“優しさは言葉じゃなくて、その気持ちから”
この日、会場に居た人々は その気持ちを しっかりと心にしまった。
そして、SIONはその更なる続きを今年、新曲で聴かせてくれるのだろう。
音楽は、歌は、人の優しさは2012年も続く。
-SET LIST-
SION アコースティツクLive2011 ~SION with Bun Matsuda~
2011.12.17東京・代官山UNIT
- 01. 雪かもな
- 02. この街の力まで塞がないでくれ
- 03. 気力をぶっかけろ
- 04. 恥を知れ
- 05. もう奪わないでくれ
- 06. 不揃いのステップ
- 07. 風が出てきた
- 08. 彼女少々疲れぎみ
- 09. こんなに天気がいいからよ
- 10. お前の空まで曇らせてたまるか
- 11. Darling
- 12. 午前3時の街角で
- 13. 遊ぼうよ
- 14. お前がいる
- 15. ハード・レイン
- 16. Hallelujah
- 17. マイナスを脱ぎ捨てる
- 18. 元気はなくすなよ
- EN1
- 01. ちょっといいな(弾き語り)
- 02. 紅(弾き語り) ※未発表曲
- 03. Machiko(弾き語り)
- 04. 12月(弾き語り)
- 05. 赤鼻のトナカイ(弾き語り)
- 06. 俺の声
- 07. バラ色の夢に浸る
- 08. たまには自分を褒めてやろう
- 09. そして あ・り・が・と・う
- EN2
- 01. このままが
Text by Joe Yokomizo
Photographs by Tohru Aso





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