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山﨑養世 インタヴュー 「原発の国民投票をやるべき。それができないなら、 解散総選挙で白黒はっきりすべき」

blog yasuo yamazaki 001 山﨑養世 インタヴュー 「原発の国民投票をやるべき。それができないなら、 解散総選挙で白黒はっきりすべき」 山﨑養世 インタヴュー
先日、「太陽経済の会かながわ会議」が開催された。その進行役は自然エネルギーを推進する神奈川県知事・黒岩祐治。そこに孫 正義らが参加し、“原発から太陽光へ”をキーワードに議論を展開した。
そこで最も熱く、明解なメッセージを発していた太陽経済の会・代表理事、山﨑養世。太陽エネルギーで21世紀の日本、いや世界を変える男への独占インタヴュー。


——まずは「太陽経済の会」の概要からお願いします。
「20世紀はひらたく言えば“石油経済の時代”でした。“次に来る時代は何の経済?”と考えたら、それは太陽経済。今までは、昔の太陽が作ってくれたものを地面から堀り出す文明だった。ところが、その掘り出すもの、石油や石炭といった化石燃料はどんどん値段が上がり、そして間もなく枯渇する。そんなことをしなくても太陽自体がエネルギーとして圧倒的。1時間の太陽光の放射で人間が1年間で使っているエネルギーを賄えてしまいます。その太陽ですべての食べ物ができている。水も太陽があって循環しているし、それを動物、もちろん人間も摂取して生きています。だから、“今の太陽で今の我々は生きて行こう、生きて行ける経済を作ろう”がこの会の考え方。“お天道様でみんな生きて行こう!”という当たり前の考え方です」

——どの国でも可能な方法ですよね。

「そこがポイントです。太陽はみんなのもの、どの国にも太陽は降り注ぐ、ユビキタスなもの。太陽をエネルギーにすることで、大きな変化が生まれる。例えば、多くの戦争はなくなる。今まで石油を巡りどれくらいの戦争が起こったことか……。ただ、日中はいいけど夜はどうするかという問題はあります。でも、どの国も平等。そうなると各国に“シェア”という考え方が生まれてきます」

——理想のエネルギーだというのはわかりますが、コスト問題が……。

「太陽光、あるいは自然が放つエネルギーはすべて無料なので燃料代は要らなくなるんです。それと、原子力エネルギーが安いというのはウソですよ。今回の福島の件でそのことはよくわかる。何かが起きればあれだけ幅広い地域で人が住めなくなるかもしれないというコストがかかっている。石炭も石油もここ10年で5倍以上コストが上がっています。みんなそのコストを払うために窮々と働いている。去年、日本の一家族が化石燃料に払ったお金は平均で100万円。その燃料自体がタダになるわけです。もちろん、最初の設備投資にお金はかかる。ただ、これも普及していくなかで、化石燃料とは逆でどんどんコストダウンします。最初のコストがかかったとしても、そのお金は日本の中で回る。別にそのお金を中東に払うわけじゃない。それはどの国も同じで国内でお金、経済が回りだすんです」

——資源不足の日本社会にはまさにぴったりなシステムですね

「それと、実に日本的な考え方でもあるんです。日本は“日出る国”。国旗はまさに太陽です。こうした概念をどの国よりも理解できる国だと思います。このシステムを実現させるための技術の半分を日本が持っている。それを技術国家・平和国家の日本が先導し、世界が共感し、最後には戦争もなくなる。この太陽経済の会の目的は“SAVE HUMANITY”。“人間を救う、人間性を守る”。人間の本来の姿は助け合ってシェアすることですからね」

——21世紀はこの太陽経済で劇的な変化が世界にもたらされると?

「20世紀の石油経済では巨大なピラミッド社会ができましたが、もうじき壊れます。エネルギーは分散独立しているけど、つながっている社会です。これはインターネットと同じ。インターネットで起きたことがエネルギーで起きるから藤原 洋さんや孫 正義さんが登場する。必然ですよね。エネルギーにとどまらず、食糧などもやがてネットワークされます。今まで巨大ピラミッドのパーツだった我々がハブになる。コンプリートされた存在であり一人一人が相性を持つわけです」

——太陽光発電は、個人だと負担が大きいかと。自治体に期待、ですか?

「岩手県・葛巻市のようにエネルギーも食糧も自給自足をして、財政黒字の街はすでにあるんです。そのために法律や政治家は要りますが、やろうと思えばできるはず。だからいつも言うんですが“太陽経済、みんなでやれば怖くない!”です」

——しかし、すべての自治体が神奈川県のように自然エネルギーに積極的なわけでもないですし……。

「ブログに書くとかでもいいし、とにかく声にして政治に参加しないと。自然エネルギーに関してはもっと踏み込んだ要求をすべき。日本人は自分の持っている権利を知らなすぎます。みなさんは何か高い買い物する時はセールで待つとか少しでも安く買う努力をしていますが、生涯で払う税金・保険料を計算してみてください。私たちの一番高い買い物は“政府”。その政府の主人だということをもっと自覚しないといけないし、そこからサービスを受けることを考えないといけないのです」

——エネルギー問題で“政府”“国”の関係で言えば、衆議院の原発解散も手段として考えられますが……。

「まず原発の国民投票をやるべきです。それができないなら、解散総選挙で白黒はっきりすべきだと。福島の後すぐにイタリアは国民投票で原発廃止を決めましたよね。なぜ日本ができないのか? それどころか、54基の原発の内、どれをすぐに止めるべきかも答えが出ていない。あれだけの被害を与えて、責任者が逮捕されることもない。政治家も一緒になってごまかそうとしています」

——そういう状況下での中曽根元総理の“太陽国家発言”はかなり意味あるものだと感じました。

「そうです。中曽根元総理の発言は“40年間原発はよく頑張ってくれた。でも、もうそういう時代じゃない”ということ。これを契機に保守派も大きく割れるでしょう。さらに左とか右とかの座標軸ではない、巨大な思想軸が出てくると思います」

——その自然・太陽エネルギーの実現の目標時期は?

「原発即廃止ではなく、10年後がひとつの目標。そして“適電適所”。風が吹く場所には風力発電、川には小規模水力発電、そういうものを組み合わせます。2020年で20~30%。これで原発分は置換できる。40年で80~100%。2020年には化石燃料を使った発電より自然エネルギーのほうが安くなる。お金が流れ出すと驚くスピードで普及するのでそこからはあっと言う間に広がります。そこから10年で世界はつながり出すでしょう。サハラ砂漠で行った発電でヨーロッパを賄う。ゴビ砂漠のでアジアを、という具合。『そんな時代、来るの?』と思っている人もいると思いますが、インターネットも最初は冗談みたいに思ってた。それが30年経って、みんなつながったわけですからね」

YASUYO YAMAZAKI

blog yasuo yamazaki 002 山﨑養世 インタヴュー 「原発の国民投票をやるべき。それができないなら、 解散総選挙で白黒はっきりすべき」 山﨑養世 ● 1958年、福岡県生まれ。東京大学経済学部卒。卒業後は大和証券入社。94年ゴールドマン・サックス入社。ゴールドマン・サックス投信代表取締役社長、ゴールドマン・サックス・アセット・マネージメント・ジャパン・リミテッド社長などを歴任するが02年に退社し、山﨑養世事務所を設立。「高速道路の無料化」などを提言し、民主党のマニフェストに採用され、09年に総務省顧問に就任。さらに同年、成長戦略総合研究所を設立。また同年より太陽経済の会も発足させ、代表理事として日本の自然エネルギー政策のイニシアチブを取っている。

Text by Joe Yokomizo
Photographs by Osami Watanabe


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